何をやらないかを決める
2022年の株式市場は、年明けから早くも波乱の展開となっている。
大発会1月4日の日経平均株価終値は昨年末より510円高の大幅上昇と幸先が良かったが、わずか2日後には前日比844円安と大きく下落。
その後も方向感が定まらないまま、昨年末を下回る水準で推移している。
米国では、物価上昇が顕著になり、ここ数年続いてきた金融緩和の終了が強く意識される局面となったようだ。
そこへオミクロン株による新型コロナウイルスの感染拡大が再び各国で進展しており、世界的に景気回復を遅らせる懸念が高まってきた。
一方で、ワクチン接種は昨年前半に比べて大きく進んでいるので、経済に対する打撃は過去の感染拡大時ほどにはならないだろう、とも思える。
なかなか、先行きは読みづらい。
値動きには賭けない
こういうときにやみくもに動くのは、得てして損失を拡大させることが多い。
株価が安くなったと飛びついたら、さらに値下がりしてしまって、慌てて損切りすることが、過去の苦い経験として多々ある。
結局、値動きに振り回されているのだ。
だから、投資のポリシーとして、短期的な値動きに賭ける投資はやめようと筆者は決めた。
人気や外部要因で株価が上がりそうだから買うのではなく、ビジネスモデルと業績をみて、本来の事業によって中長期的に利益を増やし続けていける、と確信を持てる企業を選ぶ。
そうした企業も短期的には株価が低迷することがもちろんあるが、5年以上のタームで考えれば、利益を増やし続けられる企業の株価は最終的に上昇するだろう。
自分に合わない投資はしない
すべての投資方法に精通することなど、大抵の人には無理な話だ。
筆者は、世間では人気のある投資方法であっても、自分に合わないと考える投資方法には手を出さないことを徹底するつもりだ。
IPO投資はやらないし、市場変更などのイベントによる株価上昇を狙った投資もやらない。
もちろん、実体の裏付けが乏しく、値動きだけのゼロサム・ゲームとなる仮想通貨には手を出さない。
土地勘がまるでない不動産投資の分野では、REITの購入だけに絞る。
「投資で成功して億万長者になった」と称する人物が書いた書籍が世の中には溢れているが、それらも読む気はない。
そもそも、その人と全く同じやり方をすれば成功するという保証は何もないし、たまたま運が良かっただけというケースがほとんどだからだ。
こうした成功者の情報には「生存者バイアス」が働いていることを忘れてはならない。
投資で成功する最低条件は、取り返せない致命的な失敗をしないということだろう。
そのためには、何をやるか以上に、何をやらないかを決めることが重要ではないだろうか。