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2020-12-31

有価証券報告書(有報)は、株式を上場する企業のすべてが、決算ごとに共通ルールに従って作成する会社説明資料である。
誰でもかんたんに入手でき、かつ詳細な企業情報が掲載されているという意味で、個人投資家にとっては第一級の資料であろう。

しかし、相当な経験を持つ個人投資家といえども、有報に必ず目を通してから投資行動を決定する人は、あまり多くない。
退屈で無味乾燥、目を通すのは時間の無駄、といったイメージを有報にお持ちの方は少なくないだろう。
しかも、近年は上場企業のIR活動が充実し、わかりやすい決算説明資料がウェブサイト等で提供されていることも多い。
わざわざ有報を読まなくても、株式投資に支障はないといえるかもしれない。

かくいう私もかつての銀行勤務時代には、有報なんぞ、ほとんど開いたことはなかった。
しかし今では、有価証券報告書をまったく見ないのは実にもったいないことなんじゃないか、と思う。
なぜなら、趣味として読んでも、有報はとても魅力的な読み物だということに気づいたからだ。

一見、大量の数字が並んでいるだけなのに、とても魅力のある書籍として思い浮かぶのは、書店で売られている「時刻表」だ。
スマホが普及した昨今、時刻表を購入して利用する人は減少しているだろう。

でも、時刻表の見方がわかる人にとっては、こんなに楽しい読み物もそうそうない。
私は、学生時代によく時刻表を開いて、まだ行ったこともない地方のダイヤを見ながら、想像上の旅行プランを組み立てて楽しんでいた。
「その数字の通りに、現実に今日も動いている列車があり、人が利用している」ということが、時刻表の魅力だ。
時刻表は、人々の実際の営みを表したものであって、決してただの数字の羅列ではない。

有報もまた、その背後には当該企業の経営者や従業員による生きた活動が存在している。
決算書の掲載されている数字は、その会社が企図する経営戦略、改革、新しい挑戦などが具現化した結果だ。
基本的な読み方さえマスターすれば、そこで実際に起っているドラマを読み解くことも可能なのだ。

一部の専門家が、仕事のためだけに有価証券報告書を開くのではもったいない。
極上の推理小説のように、知的な娯楽として有価証券報告書を読んでみる。

当サイトでは、このような楽しみを追求していくことを目的として、有価証券報告書を題材にした様々な話題を取り上げていきたい。

Posted by Uranus