TOPIXに投資するのはやめておいたほうがよい!?

投資のヒント

前回に引き続き、奥野一成氏の著書「教養としての投資」(ダイヤモンド社)から話題を取り上げる。
ウォーレン・バフェットの考え方に学んだ奥野氏は、株式の長期投資方針を貫いている。
その基本原則は「売らなくてもいい会社」の株式しか買わない、というものだ。
そのために、「高い付加価値」「高い参入障壁」「長期潮流」の三要素をもった「構造的に強靭な企業」にのみ投資する。

では、日本株でそのような会社があるのか?
残念ながら、現状では厳しい見方をされている。
日本企業では、海外でも通用するような参入障壁をもった企業が少ない。
しかも、そもそも人口減少が見込まれる我が国では、国内市場の成長は限られ、長期潮流の点でも逆風にさらされる。

奥野氏は次のように言い切っている。

だから、もし日本企業の株に投資するのであれば、銘柄を厳選しなければなりません。
少なくともTOPIXのような、市場全体を買うインデックスファンドへの投資は、日本株に関して言えば全く無意味です。
(中略)
長期的に利益を増やすことが出来ない企業が多数含まれるインデックスのファンドを買うのは、いくら長期保有を心掛けたとしても、時間の無駄以外の何物でもないことを申し上げておきましょう。

奥野一成「教養としての投資」(ダイヤモンド社)167頁

インデックス投資の信奉者が読めば、目を剥くようなことが書いてあるのだ。
しかし、筆者もまた、TOPIX(東証株価指数)への投資はオススメしない。

筆者は、株式投資を始めて2年くらいの間、TOPIX連動のETFをこつこつ買い続けていた。
しかし、次第に「これは良好なパフォーマンスが得られないのではないか」という思いが強くなり、とうとう逐次売却して高配当株を中心とした投資に切り替えた。
TOPIXはなかなか上昇しない、と強く実感したためだ。

実際、長期の推移をみると、TOPIXはバブル期の最高値を更新することができないまま、上下動を繰り返している。
史上最高値を更新し続けている米国S&P500種株価指数と比べて、成長格差は歴然としている。

なぜTOPIXが上昇しにくいかというと、指数の構成銘柄の決め方に根本的な問題があるからだ。
TOPIXは東証1部に上場するすべての銘柄を対象に、時価総額加重平均で合計して算出される。
つまり、ある会社が一度東証1部に上場されてTOPIXに組み込まれれば、上場廃止か降格でもないかぎり、指数から除外されることがない構造になっている。
利益成長がなく、企業価値の増大が望めない会社であっても、東証1部上場というだけで指数に含まれ続けることになる。

一方、米国S&P500種株価指数は、上場企業約5千社から、よりすぐりの500社で構成される。
駄目な企業は銘柄の入れ替えで弾き出され、構成銘柄は時代によってダイナミックに入れ替わっていく。

これでは、格差が生じるのも仕方ないだろう。

もちろん、「銘柄選択はやりたくないので、東証1部市場全体に投資して、そこそこのリターンが得られれば良い」という考え方もわからないではない。
TOPIX連動のインデックスファンドなら、信託報酬などのコストも低い。

だが、どうせインデックス投資をするなら、30年前の高値を未だ上回れないTOPIXに投資するより、S&P500に全振りしたほうがはるかに合理的な選択じゃなかろうか?
上図からわかるように、円ベースでも十分なリターンが得られているのだから・・・。

Posted by Uranus