コロナでも元気な企業~三協フロンテア

2021-01-11業績

1年ほど前、「地味だけど優良企業」として、ユニットハウス製造大手の三協フロンテア株式会社を取り上げた。
その際に、東京五輪関係の需要がなくなり、ユニットハウスの需要が鈍化する懸念があることに触れた。

そこへコロナ禍が到来し、五輪が延期になるという事態となったため、筆者は同社の業績への影響に注目していた。
工事の中断、受注活動の停滞などによって、ユニットハウスの需要を減退させることが想定されたからだ。

ところが、発表された2021/3期上半期の業績は、好調だった2020/3期をさらに上回るものだった。
連結売上高は前期比6.5%増、経常利益は8.8%増となったのである。

特に、緊急事態宣言が出された第1四半期(4~6月)の前年同期比伸びが良かった。
三協フロンテアの中間報告書によると、ユニットハウスの展示場来場者数やホームページの問い合わせ件数が前年より大きく増加した。
コロナ禍に対応する新生活様式により、テレワークスペースや販売店舗など、新たな空間のニーズが高まったことを受けたものだという。

近年、同社では、工事現場の仮設事務所などの短期利用だけでなく、オフィス、倉庫、店舗など中長期利用の用途拡大に力を入れてきた。
それが、「運搬できて短期間でスペースを拡張することができる」というユニットハウスの特性と相まって、withコロナの社会環境にマッチしたのだろう。

「モバイルスペースメーカー」を標榜する三協フロンテアにとって、新型コロナウイルス感染症による生活様式の変化は、ユニットハウス需要の後押しをしてくれるものだったのである。

もっとも、コロナ前から業績は好調だった。
2020/3期は、売上高が前期比9.3%増、経常利益が同19.9%増と高い伸びだった。
ユニットハウスのレンタル、販売とも売上高の増加は持続している。

筆者が注目しているのは、三協フロンテアの資産効率がどんどん良くなっていることだ。
総資産経常利益率(ROA)の推移をみると、東日本大震災後の特需があった2012/3期に次ぐ水準まで上昇してきている。
同社のB/Sでは、レンタル資産などの有形固定資産が大きなウェイトを持っているので、総資産経常利益率の上昇は、有形固定資産が効率よく利益を生み出していることを示すものといえる。

同社は、2013/3期から2015/3期にかけて積極的に有形固定資産に投資したのだが、それが着実に成果を上げてきているということだろう。

この分だと、五輪後の需要減退を心配する必要はあまりなさそうだ。
コロナ禍をきっかけに、モバイルスペースの新たな需要開拓が進み、成長路線を持続していけることを期待したい。