「高成長かつ高収益」な会社を見つけた!~ライフドリンク カンパニー(前編)
今年も猛暑の季節がやってきた。
熱中症に関する報道も増えていて、外出時にはペットボトルの水やお茶を持ち歩くことが、筆者にとって欠かせない。
今回取り上げる株式会社ライフドリンク カンパニーは、水やお茶などの清涼飲料業界で、いま注目を集める会社だ。
業歴は70年以上だが、投資ファンドの出資で急変貌
ライフドリンク カンパニー(以下LDC)は、1950年に茶卸売業で創業し、1972年に法人化して株式会社あさみやとなった。
以来、お茶以外の飲料や調味料などにも進出し、2000年代になってからは中小の飲料メーカー、食品メーカーを複数買収して事業拡大を続けていた。
転機となったのは、経営者の高齢化に伴う事業承継絡みで、2015年にサンライズキャピタル関連の投資ファンドと資本提携したことである。
2017年に現社名に変更し、清涼飲料事業に集中する戦略を鮮明にし、食品など関連の薄い事業は次々に整理していった。
2021年12月に東証第二部に株式上場を果たし、現在はプライム市場に変更されている。
頻繁にM&Aを積み重ねてきた歴史をもち、株式上場後3年経たないうちに飲料メーカー2社をグループ内に取り込んでいる。
2026年には、ポッカサッポロから取得した群馬工場が新たに加わる予定だ。
現在の生産品目はミネラルウォーターと茶系飲料が大半を占め、それ以外に炭酸水や茶葉が若干あるという状況である。
低価格・安定供給を実現する3つの特徴
ビジネスの特徴としてLDC自身が挙げていることは、①少品種大量生産、②調達から販売までの内製化、③工場の全国展開、の3つだ。

出所:ライフドリンクカンパニー「2025年3月期決算補足説明資料」
最初の“少品種大量生産”では、品目を水と茶系飲料に絞るだけでなく、容量を2リットルと500ミリリットルの2種に絞るという選択をしている。
これによって、生産ラインにおける生産品目の切替時間の極小化、原材料・資材の共通化を図り、コスト抑制につなげている。
二番目の“内製化”については、原材料の調達から、ペットボトルの製造や茶葉の焙煎などの中間工程、充填・包装などの製品化工程、顧客への販売までを自社で行う。
飲料メーカーがペットボトルの生産まで内製化しているのは珍しい。
販売は、小売チェーンへのOEM供給やECサイトを通した消費者への直販が中心で、卸売業者や仲介業者の介在が少ない流通構造となっている。
三番目の“工場の全国展開”については、「重量が重く、物流コストがかかりやすい」という飲料製品の特性と関係する。
消費地に近い場所に工場を立地させることで、物流コストを抑制することを意図しているのだ。
同業のM&Aに積極的なことも、短期間で全国に生産拠点を広げる狙いがあると推察される。
以上のような低コスト戦略の徹底によって、他社に比べて低価格かつ安定的に清涼飲料を提供できることが、当社のウリだ。
高成長かつ高収益を両立している
LDCは株式上場後高成長を続けているため、投資家から注目が高まっている。

ご覧の通り、上場直後の2022/3期(2021年度)から直近の2025/3期(2024年度)までの間に、売上高はほぼ1.7倍、営業利益額は2.1倍に増加した。
上場している他の飲料メーカーで、これほどの高成長を続けている会社はない。
有利子負債の利息支払いを含めた経常利益ベースでみても、LDCが他社を圧倒している。

しかも高成長だけでなく、「低価格戦略をとっているにも関わらず、業界他社よりも高収益」というところが、LDCの凄さだ。
2024年度の総資産経常利益率(=経常利益額/総資産額)を比較すると、LDCは突出した存在だ。
保有資産から効率的に利益を生み出すことができているのである。

さらに、総資産回転率(=売上高/総資産額)と売上高経常利益率(=経常利益額/売上高)に分解して、各社をプロットしてみると、どちらもLDCがトップだ。
特に、売上高経常利益率は唯一10%を超える水準にあり、これが総資産経常利益率を大きく押し上げている要因だとわかる。

売上高経常利益率が高いのは、他社に比べてコスト比率が低水準だからである。
売上原価、販管費とも、対売上高比率は4社中二番目に低い数値である。
どちらかだけでなく、両方とも低いところがLDCの強みである。

なんで、こんなことが可能なのだろう?
他社と何が違うのか?
長くなってしまいそうなのでいったん切り上げ、次回にこのことを掘り下げて考察してみたい。











